『d-school』を訪問!デザイン思考で話題、スタンフォード大学の人気講座
シリコンバレー滞在3日目後半は、スタンフォード大学の人気カリキュラムで『デザイン思考』で話題の『d-school』を訪問。
この『d-school(Hasso Plattner Instiute of Design)』は、世界的デザイン企業IDEAの創業者で、スタンフォード大学の教授でもあるデイヴィッド・ケリーが提唱した「デザイン思考」を教育する人気講座です。
d-schoolの紹介ムービー
d.school Bootcamp: The Student Experience
デザイン思考とは、クリエイティブなデザイナーの思考法を体系化し、普通のビジネスパーソンでもクリエイティブな発想ができる、新しいビジネスアイデアやソリューションをばんばん創り出せるようにした画期的なフレームワーク(デザインそのものを教えるわけではない)。
提唱者デイヴィッド・ケリー教授のTED『自分のクリエイティビティに自信を持つ方法』
How to build your creative confidence | David Kelley
書き起こしもありました(^^)
↓ ↓ ↓
実はこの『d-school 』はドイツのIT企業SAP社が運営参画しているのですが(d-schoolの存在もSAPのシリコンバレー支社の方に教えてもらいました)、特に企業名が冠になっているわけでもありません。
ドイツのお固い老舗IT企業であるSAPは一時期低迷期に陥っていたのですが、この「デザイン思考」を思い切って取り入れ、シリコンバレーを新規ビジネスやイノベーションの創造基地としたことで、劇的に復活(進化といった方がいいかも)を遂げたそうです。
現在はシリコンバレーで働きたい会社トップ10にランクイン、現地で4000人を雇用、最近は日本企業からもひっきりなしに訪れるんだとか。(GoogleやFacebookは真似できそうにないけど、日本と似たお固め系のSAPが変革できた事例なら自分たちも真似できるかも、と考えるらしい)
世界的にも注目されているデザイン思考(Design Thinking)の発信源、聖地ともいえる場所です。
聖地のなかに入ると、なぜか車が・・・。
クリエイティビティを高めるために違いない。うんそうだ。
スタジオの奥に授業の様子が見える・・・。
授業が行われていました!(終わるタイミングでした)
スクールのなかは、色彩豊かで「楽しい工房」といった雰囲気。
作業ブース?らしきスペースがたくさん。
これは何に使うんだろう・・・。
別のスタジオでは「ハグエクササイズ」というのをやっていました。たのしそう(^^)
そんな『d-school』の授業の特徴ですが、超ざっくり言うと
・デザイン思考をベースとしたアントレプレナーシップ教育が行われている
・科目を横断したカリキュラム構成(engineering,medicine,business,law...)
・産学連携が徹底されている
・地元パロアルトのTech企業や地域からリアルな課題が次々と持ち込まれる
・具体的な解決策、イノベーションを生み出し、最後はプロトタイプまで創る
というかんじだそうです。
これは入り口に置いてあったd-schoolのカタログの写真。創造性が溢れだしているかんじがする!
そこにいるだけでワクワクする素敵な空間でした。
d-schoolやデザイン思考に関する書籍はいくつか出ているので、ご興味のある方は読んでみるといいかもしれません(^^)

スタンフォード大学dスクール 人生をデザインする目標達成の習慣
- 作者: バーナード・ロス,庭田よう子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/12/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
これは「デザイン思考のバイブル」と呼ばれている(らしい)一冊。

デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ティム・ブラウン,Tim Brown,千葉敏生
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/05/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (3件) を見る
図解してくれてありがとう。
マンガまでありがとう。
これはデザイン思考の提唱者、スタンフォード大学デイヴィット・ケリー教授の著者。

クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法
- 作者: デイヴィッドケリー,トムケリー
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2014/06/20
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
d.schoolの10週間が90分の動画に凝縮 - デザイン思考のフリー教材
さらに『d-school』では、教材やプログラムをネット上でフリー公開もしています。
米スタンフォード大のd.schoolが、『The Virtual Crash Course in Design Thinking』(以下VCCDT)という教材をウェブ上に無料公開している(非営利目的であれば複製・配布も自由)。
ホームページに公開されている動画や、配布資料、ファシリテーションTIPSを用いる事によって、d.schoolの教えているデザイン思考の方法論を学習できるというものだ。動画を閲覧するだけで得られるものは多いが、企業や学校といった組織が活用することで、効果を発揮する。
VCCDTはまだプロトタイプらしく、参加者のフィードバックを積極的に集めている。ホームページでも述べられているが、デザインに関連する前提知識は必要ない(NO PREVIOUS DESIGN EXPERIENCE REQUIRED)。
プロトタイプらしいですが、フリー教材ってすごい!
見学はほんの短い時間でしたが、さらに学んでみたいと思わせるスタンフォード大学のデザイン思考とd-schoolでした!