奨学金はサラ金より本当に悪質か?『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう』を読んでみた
↓ ↓ ↓
(145)今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。: 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話 (ポプラ新書)
奨学金を借りる大学生は約5割、延滞者は20万人超
先日の「Polca奨学金」を紹介したブログが結構反響がありました。(リツイートもたくさんしてもらいました!ありがとうございます😊)
奨学金に対する世間の関心度の高さをヒシヒシ感じたので、再度の奨学金ネタです。
今日は『(145)今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。: 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話 (ポプラ新書)』を読んでとても勉強になったので紹介します。
ここ数年で奨学金延滞が社会問題化し、メディアで「ブラック奨学金」などと叩かれたりもしています。
が、叩くだけでは解決しない、ということで、奨学金の実態と海外の事例も交えて「じゃあどうすればいいの?」という解決策を提言した一冊です。
親不在・収入ゼロ、奨学金だけで東大・ハーバードまで通った著者・本山勝寛さん
著者は、親不在・収入ゼロ、奨学金で東大・ハーバードに合格という経歴を持つ本山勝寛さん(@k_motoyama)。
経歴とお名前をみて思い出したのですが、本山さんの勉強法の本を凄い昔に読んだことがありました。これです
↓ ↓ ↓

16倍速勉強法―「東大」「ハーバード」ダブル合格 (光文社知恵の森文庫)
- 作者: 本山勝寛
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/08/10
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 175回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
本山さんが編み出した半端じゃなく効率良く勉強するノウハウが書かれており、大学受験生だけはなく、社会人にも役立つ内容なので、これはこれでおススメです。
教育格差をなくすための9つの提言
本題に戻りますが、本山さんが提言する「教育格差をなくすための施策」は次の9つです。
- 外国人留学生奨学金の出身国の偏りをなくし大学授業料の減免を拡大
- 奨学金返済を所得税控除に計算できる「奨学金減税」の実現
- 企業、財団、大学でもっと給付型の奨学金を創る
- 働きながら学べるオンライン・夜間コースの拡充
- 地域で安価に学べるコミュニティカレッジの創設
- ふるさと納税による大学への寄付制度
- 大学生が選挙に行くことで高等教育政策拡充につなげる
- 個人が個人を支援する21世紀型「あしながおじさん」
- 予備校の必要のない社会で教育格差をなくす
政府が担うべきもの、大学がやるべきこと、個人や民間でやることなど多岐に渡ります。
個人的には、
「2.奨学金返済を所得税控除に計算できる「奨学金減税」の実現」
がとても面白いなと思いました。
ふるさと納税が顕著ですが、税制へのアプローチは「分かりにくいけど、影響力が大きい」と思うからです。
それから、
「9.予備校の必要のない社会で教育格差をなくす」
は、会社で事業としても取り組んでいるテーマなので、激しく共感しました。
教育こそが格差をなくしてきた
著者・本山さんの強い想い
最後に、本書からの引用ですが、著者の本山さんの教育格差の解消と奨学金への強い想いが詰まった一文を紹介します。
私のようにたとえ貧しい家庭で育ったとしても、教育の力によって貧困の連鎖から脱せられる人が1人でも多く出てくることを願う
奨学金に助けられた経験を持つ著者だからこそ書ける、想いが詰まった一冊だと思います。
また、本書の中で紹介されている
- 東大生の8人に1人は低所得者出身
- 大学別の奨学金延滞率(上位15校)
- コストパフォーマンスでみた世界大学ランキング
- アメリカでも「学生ローン地獄」が深刻化
- アメリカの学生ローンの利息は3〜8%
- ハーバード大学では年収6万5000ドル(728万円)以下の家庭の学生は授業料が全額免除
- 税金が高く大学授業料の安いヨーロッパ
- 海外のさまざまな奨学金制度(給付型のニードベース奨学金など)
などのデータや情報はかなり参考になりました。ご興味ある方はぜひ読んでみてください(^^)

(145)今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。: 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話 (ポプラ新書)
- 作者: 本山勝寛
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2018/02/09
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る
※奨学金の関連記事もご興味あればどうぞ