APU(立命館アジア太平洋大学)で、出口学長主宰の「APU起業部」のキックオフ講演会に参加してきました
大分県・別府のAPU(立命館アジア太平洋大学)の訪問2日目(7/16)。
出口治明学長主宰の「APU起業部」のキックオフ講演会に特別参加させていただきました。
ご存知の通り、出口さんは世界初のネット生保「ライフネット生命」の創業者。
業界関係者から「絶対に無理」と言われ続けたネット生命保険を開業にこぎつけ、創業10年で売上100億円以上、加入者27万人以上に育てあげた当代きってのベンチャー起業家です。
その出口学長が「起業塾」を開講するということで注目を浴び、学生だけでなく卒業生やマスコミも大勢集まっていました。
(学生は午前の部・午後の部合わせて190名近く参加があったそうです)
APU起業部キックオフを「7/16」に開催した理由とは?
さっそく出口学長のプレゼンがスタート。
開口一番の一言は
「APU起業部キックオフを7/16に開催したのは何故でしょう?」
という参加者全員への質問。
その理由は「海の日だから」。
自分も含め会場全員、一瞬キョトンとしてしまいましたが、出口学長いわく
「別府湾を見下ろすこのAPUキャンパスから、広い世界に出ていく、という決意を込めたかった」
とのこと。
そして、初年度の具体的な目標として
「5つの起業を生み出す」
を掲げることも発表。
出口さん曰く「学芸会をやるつもりはない(要はお遊び起業ごっこをするつもりはない)」とのこと。
並々ならぬ気合とAPUとしての本腰の入れ具合が伝わってきました。
ダイバーシティがイノベーションを生み出す
話が本題に移り、なぜ「起業部」を立ち上げたのか、という経緯に。
「APUが、東大にも京大にも負けない個性は『圧倒的なダイバーシティ(多様性)』に尽きる」
「ダイバーシティこそがイノベーションを生み出す源泉になる」
「世界で最もイノベーションを生み出しているシリコンバレーも圧倒的なダイバーシティがある」
「起業家や社会起業家を輩出することが、日本で最もダイバーシティを誇るAPUの使命」
「出口塾と命名したのは、APUが大学を挙げて取り組む決意の現れ」
と「起業部」設立の経緯や込めた想いを語られていました。
APUは4年では終わらない
さらに出口学長が強調していたのが
「APUは4年では終わらない。APUはこの別府だけではない」
ということです。
どういうことかというと、APUの外国人留学生の卒業生のネットワークと世界の33のチャプター(拠点)、全部含めてAPUのキャンパスであり、皆で応援していく、ということです。
「APUの卒業生にも起業している人がたくさんいる。その卒業生を全部リストアップして、大学に呼んでいく。メンターとすて手助けしてもらう」
という具体的なバックアップ体制の構想もお話しされていました。
慶應三田会を超える、最強の大学OBOGのネットワークをAPUは構築しつつある
「APUはダイバーシティだけでなく、
卒業生の世界のネットワークも日本一」
出口学長はこう切り出し、さらに
「日本で最も強固と言われている大学のOB会組織は慶應の三田会」
「海外でも、三田会を開催すれば100人くらいすぐ集まる。けれど、そのほとんどは駐在員で、数年で帰国してしまう」
「APUの海外の元留学生のOB OGは全く違う。現地で実際にビジネスをしている人ばかりで、場合によってはどこかの国の副大臣や高官という外国人の卒業生もいる」
「2000年開校で、一番年齢が上の卒業生でも30代後半だけど、あと10年20年と経つと、世界各国でのAPU卒業生の影響力はさらに高まる」
そこまで言及されていませんでしたが、どこかアジアの国の大統領や首相が登場してもおかしくない、という話です。(そのくらい優秀な留学生がアジア各国からAPUにはきています)
慶應三田会を超える、最強の大学OBOGのネットワークをAPUは構築しつつある。
この事実に、グローバルな大学の真の価値、に参加者全員が気付かされたのではないかと思いました。
APU学生じゃないのに、質問してみた(笑)
出口学長のプレゼンのあとは質疑応答タイム。学生や卒業生から次々と質問が飛び交いましたが、せっかく参加したので、完全部外者の自分でしたが、空気を読まずに質問してみました。
自分から出口さんへの質問は以下の通り。
「APU起業部がめちゃくちゃ上手くいって、いくつも事業が大成功して、忙しくなって、続々と中退してしまうという事態が起きたら、大学としては大丈夫でしょうか?」
これって実際シリコンバレーではよくある話で、むしろ著名な起業家ほど大学を飛び出してしまって(中退)います。
間髪入れずに返ってきた出口さんの返答は
「全然OKです」
という一言。(!)
「自分のやりたいことが見つかって、それに挑戦する。これ以上素晴らしいことはない」
「大学は、事業が軌道にのって落ち着いたら、また戻ってくればいい」
「APUとしては、むしろ大歓迎です」
学生が減ったら学長としてはマズイのでは、という余計なお世話な質問だったのですが、さすが出口さん(とAPUの教授陣の皆さん)。懐の大きさが違いました・・・!
終了後は、学生にメディアにと出口さんに人だかり。
この「APU起業部(出口塾)」からどんな起業家とイノベーションが輩出されていくか、今からとても楽しみです(^^)