現代の奴隷制度、毎日4人が命を落とすネパールに、教育イノベーションで未来に光を灯すライさんの挑戦
10/1(月)は、NPO法人YouMeNepal(ユメネパール)代表ライさんのクラウドファンディング(アジア最貧国ネパールに夢の学校をつくるプロジェクト)の応援イベントを開催しました。
ライさんのクラウドファンディングの詳細はこちら(残り27日です!)
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無限大にふくらむ夢の学校を、ぼくの故郷ネパールに。(ライ シャラド(YouMe Nepal 代表) 2018/08/04 公開) - クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)
7月のAPU(立命館アジア太平洋大学)の訪問をきっかけに知り合ったライさんの挑戦を応援したいということで、イベントを開催しました。
どんなイベントを開催したか、コンセプトを動画にしたので、まずはこちらをご覧ください。
倒産寸前だったアップルを死の淵から蘇らせた伝説の広告キャンペーン「Think Different.」。
今回は、元アップルジャパンのお二人をゲストに招き、ライさんと対談するかたちでイベント開催しました。
登壇してくださった元アップルジャパンの河南順一さん(写真左)と増田隆一さん(写真右)。真ん中がライさんです。
河南さんは、元アップルジャパンのマーケティングコミュニケーション部長で、1997年当時「Think Different.」キャンペーンの日本展開の責任者だった方です。増田さんは河南さんの当時の部下で、店頭販売のプロモーションを担当されていました。
後半の対談パネルトークのモデレーターを務めてくださった、新卒採用支援で有名な株式会社ジョブウェブの創業者・佐藤孝治さん。
今回は、ご厚意でWeb解析ツール「Usergram」で有名な株式会社ビービットさんの市ヶ谷本社オフィのセミナールームをお借りして開催しました!ビービットの遠藤社長、ありがとうございました!(>_<)
月初の月曜の夜開催という空気を読めない日程で開催したにも関わらず、会場が溢れんばかりの大盛況でした!ご参加いただいた皆さんありがとうございました!
最初は河南さんのお話。
Think Different キャンペーンやiMac販売当時の貴重なエピソードをお聞きすることができました。
写真を撮るライさんがかわいい(笑)。
続いてライさんのお話。
ライさんはネパール出身ですが、国費で(ライさんは「奇跡」と言っていましたが、ネパール全土で100人弱の特待生に選ばれた)日本に留学(APU立命館アジア太平洋大学卒)、現在は東大大学院にも通いながら、ソフトバンクの新規事業部で働いています。
ネパールでの学校プロジェクトは、いわゆる複業として(と、いうにはあまりに壮大な取り組みですが)、仕事と両立しながら挑戦しています。
ネパールの教育事情を語るライさん。
ネパールでは、公教育がまともに機能していません(農村部で片道1時間かけて歩いて登校しても先生がきていない等)。
そのせいで、多くの若者がネパール国外に出稼ぎにいっています。(ネパール国内は失業率42%という凄まじい状況で仕事がない、教育をまともに受けられていないので、肉体労働以外選択肢がない)
ライさんは「現代の奴隷制度」と非難していましたが、土日も休みなく、1日16時間労働、危険な現場で肉体労働に従事し、毎日平均4人が亡くなって遺体で帰国する、という厳しい現実があります。
ライさんの出身の村の友人や先輩も亡くなっている方がおり
「自分もたまたま教育を受けるチャンスがあったから、こうして日本にこれた。けれど、そうでなければ自分がそうなっていた(亡くなっていた)かもしれない」
と語っていました。
そんな祖国ネパールの現実を変えたい。
そのためには「教育」しかない。
だから、その教育を実現する「学校」をつくりたい。
国に恩返しがしたい。
その情熱で、ライさんは突き進んでいます。
5年前から始まったこのプロジェクト。
ライさんは、すでにネパールに学校を2校つくり、360人の生徒が教育を受けています。
ライさんの学校(夢スクール)の特徴は、
・授業はすべて英語
・IT教育を重視する
・カーストフリー教育
などが特徴です。
ネパールはインドの隣国で、カーストが根強く残っています。
そこで、ライさんの学校では「日本式の教育の優れたところ」を取り入れていれて「カーストフリー」を子どもたちに浸透させようとしています。
例えば「皆で掃除をする」という習慣。
日本の学校では当たり前の光景ですが、ネパールでは「掃除は、掃除をするカーストの人がやる」となってしまう。
それを「ここでは掃除は皆でやる」として、カーストの垣根を取り払っていくのです。
ライさんの学校では、どの子どもがどのカーストか全くわからないほど、垣根を超えて打ち解けています。
このままだとネパール全土に教育を行き届かせるのに、10万年かかる。
しかし、このペースで学校をつくっていては、ネパール全土に教育を行き届かせるのに10万年以上かかってしまう。
そこで、3校目の学校は、首都カトマンズから授業を学校にオンラインで配信する最先端の教育システムの学校をつくろうと計画しています。
これまでと違い、リチュムンブン市(ライさんの故郷の村のすぐ隣の市)の公立学校と連携し、テスト的に運営を行い、うまくいけばネパール全土に広げる計画です。
9月下旬にネパールに帰国して、リチュムンブン市の市長さんや学校の先生方とも会い、協力体制をより強固に構築してきたそうです。
▼ライさんのネパール帰国の様子はこちらから
https://readyfor.jp/projects/youmenepal/announcements/86765
ライさんの熱いパッションと志の大きさに、参加者の方も皆さん聞き入っていました。
会場にひとり高校生も参加してくれていたのですが「感動しました!」とあとで感想を寄せてくれて、とても嬉しかったです(^-^)
後半は、ライさん、河南さん、増田さんとの対談パネルトーク。ジョブウェブ佐藤孝治さんがモデレーターを務めてくださいました。
元アップルジャパンの河南さん、増田さんからは「Think different」キャンペーン実施1997年当時の貴重な話を聞くことができました。
伝説となった「Think different」キャンペーンとiMacで奇跡的な復活を遂げたアップルでしたが、その現場は「常識破り挑戦」の連続だったそうです。
例えば、クパチーノのアップル本社からの指令で、旧・東急渋谷文化村に巨大な屋外広告を出したときの話。
実は、東京都の条例では、屋外広告のサイズに規制があり、本国から指示された広告は何倍もサイズオーバー。
条例を破るわけにもいかず。
本国の指示を無視するわけにもいかず、の板挟み・・・。
苦悩した河南さんとアップルの広告チームが捻り出した苦肉の策が、
「巨大な広告を分割して、少しだけ隙間を空けて別の広告として設置、遠くから見ると一枚の広告に見えるようにする」
というもの(驚)。
実際の広告がこれです。
よーく見ると隙間がある(笑)。
条例も守り、巨大広告も掲載可能にする知恵です。
PCの歴史を変えたiMac、常識破りの物流イノベーションとは?
他にも、iMacの販売店舗の現場でも、実はとんでもない物流イノベーションが起きていました。
こちらは増田さんが担当されていたそうですが、実はあのiMacは海外の製造工場から毎日空輸されてきたいたそうです。生鮮食品じゃあるまいし、パソコンを空輸するなんて前代未聞のこと。
しかも、現場への指令は「空輸されたiMacは、毎日その日のうちに売り切れ」でした(笑)。理由は単純明快で、在庫を抱えて補償金を店に払うより、毎日空輸して毎日売り切った方が、利益率は上がるから。
理屈はそうかもですが、実際にその物流網を構築して、現場で売り切ったアップルのチームが凄まじいと思います。
魔法はない。人の熱意と努力と汗が、世界を変える。
単にジョブズが復帰して、カッコいいCMが流れて、カッコいい新商品が登場して、魔法のように復活を遂げたのではない。
河南さんや増田さんのような、現場の知恵と汗と泥臭い努力で、あの復活劇があった、ということはビジネスに携わるものとして学ばなければならないことだと思いました。
理屈に合わないこと、に挑むことで世界が変わる。専門家から酷評されたiMac
最後に、河南さんの話で印象的だったのは「ときには理屈に合わないことに、果敢にチャレンジしないといけない」という言葉でした。
大ヒットしたiMacも発売前は専門家から「こんな商品は絶対に売れない」と散々にこきおろされていたそうです。
例えば、iMacは、当時のパソコンでは当たり前だったフロッピーディスク(懐かしい)がついていませんでした。「記録できないじゃん!誰がこんなの買うの?!」という指摘は、たしかに理屈に合っています。
でも、その理屈を超えて、iMacはパソコンの歴史変えるヒット商品となりました。
世の中、理屈通り、常識(とそのとき思われていること)通りにいかない、理屈を超えて挑戦することもときには必要と、iMacは教えてくれています。
日本の公教育に足りないものは?
会場やオンライン参加の方からも質問をいただきました。
「日本の公教育(高校生)に足りないものは?」という質問に対して、ライさんの答えは「Be different」(「日本の教育は素晴らしいですが」と前置きした上で)。
ライさんやジョブズのようなイノベーター、チェンジメーカーをいかに輩出するか、が日本の教育の課題ですね。
1996年当時、倒産寸前だったアップルが、わずか20年後に世界一の企業になっていると想像した人がどれだけいたでしょうか?
アジア最貧国のひとつ、人口2900万人ほどの小国ネパールが、もしかすると何十年後かには、何かの分野では世界一になっているかもしれません。
モデレーターのジョブウェブ佐藤孝治さんが、ライさんを「ネパールのスティーブジョブズですね」と言っていましたが、まさにその通りだと思います。ライさんのようなビジョナリーリーダーがいれば、実現も夢ではない、そう思えました。
イベント終了後に、ライさん、河南さん、増田さん、YouMeNepalのスタッフさんらと懇談会。 皆さんありがとうございました!
ネパールの未来を変える学校づくりプロジェクト、ライさんのクラウドファンディングをぜひ応援してください!(残り27日です!)
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無限大にふくらむ夢の学校を、ぼくの故郷ネパールに。(ライ シャラド(YouMe Nepal 代表) 2018/08/04 公開) - クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)
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