横山弘毅のブログ Education & Marketing

教育イノベーションとマーケティングに関することを主に発信するブログです

『育てる力 栗山英樹「論語と算盤」の教え』を読んでみた

育てる力

育てる力

 

大谷翔平も中田翔も覚醒した!ファイターズの若手育成に使った渋沢栄一の人生訓とは?

言わずと知れた、プロ野球・北海道日本ハムファイターズ栗山英樹監督の著書です。

栗山監督といえば、指導者経験ゼロで日本ハムの監督に就任したことが当時話題になりましたが、就任後、日本一1回、リーグ優勝2回、Aクラス5回と、ファイターズを強豪に育て上げた名将です。

また、メジャーで活躍する「二刀流」大谷翔平選手をはじめ、数多くの若手選手を育て上げた「育成の名手」としても認知されています。

 

この「育てる力」は、栗山監督が人生の指針にしている、明治期の大実業家・渋沢栄一の名著『論語と算盤』をいかに選手育成と組織づくりに活かしているかを説いた書です。

 

北海道日本ハムファイターズの栗山監督は、選手一人一人に「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の著書『論語と算盤』を渡しており、かのMLB・エンゼルス所属の大谷翔平選手も熟読しています。

「論語は経営に役立つ」

「私心を捨てて組織のために動く」

などの『論語と算盤』の哲学を組織を作る上での基礎としている。

本書は『論語と算盤』を通じて「勝てる組織、強い人材」を作り上げるためにはどうしたらいいのかを、それを実践している栗山監督の自身の経験を踏まえて解き明かしていきます。超一流の若手選手が多く所属する日ハムで栗山氏がどう指導してきたかというコーチングや組織論を余すところなく本書で開陳します。

 

渋沢栄一は、明治期に、現在のキリンビールやみずほ銀行、帝国ホテル、日本赤十字や富岡製糸場など、約500の企業の創業と育成に関わり、約600の社会工業事業や教育機関を支援した「日本資本主義の父」と称される偉人です。

 

その渋沢栄一が説いた『論語と算盤』には、

「論語(=道徳)と算盤(=経済)を一致させることの大切さ」

「誠実な立ち振る舞い」

「自分の利益だけでなく、他者の利益を優先して考えること」

「正しい富でなければ、永続することはできない」

といった、後進の実業家に送った金言があふれています。

 

一見、野球と無関係のように思えますが、

「野球人として成功する前に、まず人としての成功を目指す」

という栗山監督の哲学のもと、選手を抑えこむ管理マネジメントではなく、選手に「どうあるべきか」考えさせ、あるべき道に自らを導く指針として『論語と算盤』を若手選手に手渡し、選手育成に活用しているそうです。

 

書籍のなかで心に留まったフレーズをメモしておきます。

 

「大谷を育てたのではない。むしろ私が大谷に育てられたのだ」

「一流は、金銭感覚も一流である」

「士魂商才、異質なものを組み合わせることが大切」

「運の開拓は努力から」

「論語と算盤には「それただ忠恕のみ」とある。忠恕とは、思いやりのあるまっすぐな心のことで、それこそ人の歩むべき道にして、立身の基礎である」

「競争すべき相手は、他でなく、自分だ」

 

最近、こういう東洋思想的な内容は、教育にももっと取り入れないといけないのでは、と個人的には感じることが増えています。

 

書籍では、栗山監督の苦悩の現役時代から電撃的な監督就任、いかにしてファイターズと若手選手を覚醒させていったか、「二刀流」大谷翔平選手の育成の裏話など、チームと選手の育成ストーリーも読み応えがあるので、興味のある方はぜひ手にとってみてください(^ ^) 単純に野球好きの方にもおすすめです。 

 

育てる力

育てる力