『Appleのデジタル教育』を読んで【その1】「CBL(Challenge Based Learning 」とは?
スティーブ・ジョブズが子供に学ばせたかった「Appleのデジタル教育」という本を読みました。Appleの初代教育部門バイスプレジデント、ジョン・カウチ氏の著書です。
単なる「教育のデジタル化賞賛」「Appleヨイショボ本」ではなく、教育についての深く本質的な考察や、「デジタル」を取り入れていかに教育(学び)が進化すべきか、示唆に富んだ一冊でした。教育関係の方、こどもの教育に関心が高い親御さんなど、ぜひ一読をおすすめします(^ ^)
今回は『Appleのデジタル教育』で紹介されていた「CBL( Challenge Based Learning) 」という新しい概念について取り上げたいと思います。
以下は本書からの引用です。
テクノロジ ーに支えられた 「 CBL ( C h a l l e n g e B a s e d L e a r n i n g ) 」という新たな教育法が誕生した 。 CBLは 「チャレンジ設定型学習 」という意味だ 。
CBLは疑問を発端とする学習モデル
CBLの目的は 、コンテンツを生みだしたり育てたりできるようになってもらうことにある 。
PBL(Project Based Learning)で取り組むプロジェクトは 、教室や学校内でできることに限られることが多いが 、 CBLでは積極的に学校の外とかかわって 、地域に暮らす人々が実際に困っている問題の解決を目指して行動を起こすことが求められる。
CBLに挑むあいだ 、教師はつねに生徒を見守り 、頻繁に 「なぜ ? 」と尋ねる 。彼らの行動すべてに対して批判的に考えさせるためだ 。
というものです。
- 教師から与えられた課題を解決するのではなく、生徒自ら課題(疑問)を見出し、それに取り組む
- ICTは、ネットで情報を調べる程度ではなく、プロジェクトの協働、リサーチ、プロトタイプの制作、など学習推進のあらゆる場面で駆使する
- 積極的に学校の外と関わる、地域課題の解決を目指す
などの特徴があります。
「より生徒の疑問に端を発した主体的な学習である点」と「テクノロジーを駆使してプロジェクト推進する点」「実際にコンテンツ(アウトプット)」を生み出す点」などが、教室内だけで完結する単なるグループワーク型の学習(アイデアを発表して終わり)との違いでしょうか。
このくだりを読んで頭に浮かんだのが、高校生・高専生向けの起業体験プログラム「Startup Base U18」と「ゼロ高」です。
- 生徒の主体的な疑問(課題感)がスタートになる
- アイデア発表で終わりではなくアウトプット(社会実装)にこだわる
- テクノロジーを駆使してプロジェクト推進していく
- 学校の外とのつながり、地域課題の解消
といった点は「CBL( Challenge Based Learning) 」のコンセプトそのままで「日本にもApple顔負けの先進的な教育もあるじゃん!」と一人で盛り上がっていましたが(笑)、まだまだ少ない学びのスタイルだと思います。
テクノロジーの話よりも、生徒のモチベーションに関わる話や本質的な教育の在り方についての話など、深い内容でした。
ご興味湧いた方はぜひ手にとってみてください(^ ^)